コラボレーション型コマースプログラムを成功させるには、サプライヤーの参加が不可欠です。
サプライヤーがプログラムに参加するかどうかは、コラボレーション型コマースのコンプライアンスポリシーの確立と伝達、および貴社内でのポリシーの周知徹底にかかっています。社内でのコンプライアンス強化については、次の4つの点について注意することが必要です。
-
リソース:主要なロールと各業務
-
ステークホルダー
-
プログラムの流れ
-
コミュニケーション
1. リソース:主要なロールと各業務
関与する主要人物を特定し、それぞれがプログラムに費やす時間の割合を決めます。この表は、最も効果的であると実証されている組織構造を表しています。
主要な役割 | 説明/業務 | 時間の割合 |
---|---|---|
スポンサー |
プログラムの予算管理担当者。 |
10% |
ステークホルダー |
ポリシーの確立、ビジネスプロセスの定義、リソースの提供に関わる、調達・購買、経理、IT、トレーニングの各部門の意思決定者。 |
15% |
サプライヤーイネーブルメントリーダー |
機能横断型チームを統率するプロジェクトマネージャー。プログラムのサプライヤーが500を超えたら、FTE(フルタイム当量)の半分を追加。 |
100% |
経理部門のリソース |
マスターベンダーリストのクリーンアップとプログラムの実行管理担当者。 |
10% |
IT部門のリソース |
システムの問題対応や統合テストを管理する担当者。 |
15% |
サプライチェーンマネージャー |
サプライヤーへのメッセージの管理、カタログおよび購買発注のサポート担当者。 |
20% |
これらのロールと各業務に関する詳細な説明については、PDFをダウンロードしてください。
2. ステークホルダー
ステークホルダーが確実にプログラムに関わることができるように、Ariba Networkへのサプライヤーのオンボーディングプロセスの開始前に、ステークホルダーとのミーティングを行います。このミーティングの目的は2つです。一つは、新しいコラボレーション型コマースソリューションとその導入プログラムについて話し合うことであり、もう一つは、以下の事項について組織全体の理解とコンセンサスを確保することです。
-
この導入が企業の目標達成にどのように寄与するか
-
プログラムに沿った企業のポリシー、およびそれに従わなかった場合に生じる問題
-
コンプライアンスを徹底させる上でのそれぞれのステークホルダーの役割
-
進捗評価に使用するKPI(主要業績指標)
カスタマーエンゲージメントエグゼクティブやその他のSAP Ariba担当者が、ミーティングの目標と議題の策定をサポートします(議題の例については、ここをクリックしてください)。
3. プログラムの流れ
サプライベース、プロジェクトの範囲、その他多くの内外の要因や影響など、時間の経過に応じて状況は変化します。そのため、コラボレーション型コマースの取り組みは短期間のプロジェクトではなく、継続的なプログラムとなります。
目標を達成するため、そして結果を維持するためのイベントの順序やタイムラインの設定については、SAP Aribaのサポートに従っていただくことをお勧めします。以下の点にご注意ください。
-
最初のリリース後に、他のサプライヤーのイネーブルメントを「ウェーブ(波)」のように繰り返して行う導入プロセスを実行します。
-
間を空けないように、このウェーブは1週間に1回、または2週間に1回のスケジュールで実行します。
-
ウェーブの作業が重なるのを防ぐために、それぞれのウェーブはできる限り迅速に完了します。
プログラムの流れのタイムラインの例については、この図をダウンロードしてください。
4. コミュニケーション
矛盾するメッセージを伝えると、サプライヤーは参加をためらうことになります。例えば、Ariba Networkへの参加を要請する通知を受け取ったサプライヤーは、そのことについて貴社に問い合わせるかもしれません。そのサプライヤーに対応する人がプログラムのことをよく知らなかったり、重要なことであると考えていなかったりすると、そのサプライヤーはすぐに、または将来、要請を無視するようになります。
プログラムを成功させるには、リーダーシップチーム、従業員、同僚、およびこのコラボレーション型コマースの取り組みで影響を受ける他のすべての社内チームとコミュニケーションを取る必要があります。
以下の3点を伝達します。
-
我々はビジネスのあり方を変えようとしています。
-
変革を起こす練習をしているのではなく、また短期間のプロジェクトを実施しているのでもありません。このプログラムは組織のビジネス全体に根本的な変化をもたらすものです。Ariba Networkの導入後は、ペーパーベースのプロセスに戻ることはありません。
-
プログラムの成功を実現するためには、すべての従業員とサプライヤーが、担当業務に関係なく、このプログラムによって生じる影響を理解し、さらに、各自の役割を確実に果たすことが求められます。
B&H Photo社が、バイヤーとサプライヤーがイネーブルメントプロセスを開始する際のベストプラクティスを紹介しています。こちらからご覧ください。
社内の変更管理
コラボレーション型コマースプログラムの開始をステークホルダーに通知し、参加を促します。